子どもの頃、大好きだった桑イチゴ。私の育った田舎では、その昔、お蚕さまの餌として桑の木がそこここに植えられており、その名残のように点在する野生化した木々から、この時期、黒く熟した実がとれる。父ちゃんの田んぼについて行き、仕事帰りに土手の桑の木に寄ってもらって、耕耘機の荷台から背伸びし手を延ばして口いっぱいにほおばっていたのを、よく覚えてます。
よ〜く”よんだ”(ウチのほうの方言で熟すこと)実は、濃い紫色というか群青色というか、黒っぽい色をしていて、ツブツブがプリっとして、そりゃ〜甘くてうまいんです。両手でもいでは食べもいでは食べして、気がすむまで食べたら、残ったらフキの葉っぱにくるんでお持ち帰り。大好きな自然のおやつでした。
あれって、手やら口やら、ついでにそれをぬぐった洋服やらが真っ黒になるんだよね〜。
と、あの思い出の桑イチゴが、田舎を遠くはなれたこの東京で、それもウチの近所でとれるところを発見したのが、去年の今頃。何気なしに多摩川沿いを散歩していたところ、どこかのおねえさんが茂った木の下でせっせと何かをしている。いったん通りすぎたところ、気になって引き返し声をかけてみたら、「ほら」っと瓶につまった桑イチゴをみせられた! そりゃ、もう興奮しましたね。さっそく木の下にもぐりこんであの頃のようにもいでは食べした…のが、たしか去年の今頃。
で、今年も、そろそろってことで、昨日、仕事の合間に収穫に繰り出した…のですが。。。
時期が、遅かったのかな〜。おのおねえさんがもうあらかた採っちゃったのかな…。それとも今年は成り年じゃないのかな。。。
たっぷり持ち帰ろうと持参したキムチの空き容器に、数えるくらいしか採れませんでした。それも粒もちっちゃいし、なんか去年のものほど甘くない。。。
なんとなくあきらめきれずに、他の桑の木を探して川沿いに歩くこと小1時間。何本が桑の木はみつかれども、実はほとんど見られず。。。
歩きすぎて疲れて、電車に乗って帰ってきてしまいました、とさ。
その夜の夢では、場面は田舎の風景で、なぜか大人の私が、成りのいい桑の大木を見つけて大興奮! 3倍くらいの大粒の実がゆっさゆっさとなっているという、まさに夢のようなシーンでした。(いや、夢だけど)。
でも、味わう前に目が覚めちゃったのね…orz